徹底分析と言っても、それをやって来たのが、ここまでの作業であり、トップハンド・トルク理論なのだが、ここではもっと個人的なボンズの打法に迫りたい。
まず、ボンズというのはナチュラルステップである。誤解されやすいと思うが2段ステップでは無い。外見上はバーニー・ウィリアムスのように足をチョン、チョンと動かすので2段ステップに見えるし、実際に2段ステップの動きが起こっているのだが、根底にあるメカニズムはまるで違う。
これまでボンズの真似をしようとしたメジャーリーガ−を何人か見た事が有る。しかし、その全ての打者はボンズを2段ステップであると誤解してしまったため、ボンズのようなスイングは出来なかった。
ボンズをボンズたらしめているのは、この2段ステップに見える足の動きと、バットを前後に揺らす動きであり、その2つを取っ払ってしまえば、マイク・ピアザやケン・グリフィーJr、ホセ・カンセコ等のナチュラルステップの動作と同じである。
ただ、一つお断りしておきたいのは、今現在硬式バットを利用している人なら、軟式少年野球バットくらいの軽いバットを利用すれば、ボンズ気分に浸れる事が可能だと思うが、やはりこの打ち方は難しい。それは自分でもまだ理論的に掴めていない部分が有るからなのかも知れないが、普通のナチュラルステップで打った方が力が発揮出来るように思える。
しかし、ボンズ気分とまでは行かなくても、ボンズと同じ打ち方をする事は、トップハンド・トルクタイプのナチュラルステップというものを、理論、実践の両面で理解した人なら可能であるはずだ。